高校は、彩芽も蘭も、というか同じ中学出身の人がいないところを選んだ。
少し遠いけど、プレーヤーで音楽を聴きながら電車に乗って学校へ通うということに憧れていたので、全然苦ではなかった。
学校に着くと、中学校よりも大きな校舎を歩いて、自分の教室へと向かう。
1年B組。それがあたしのクラス。
最初の1ヶ月ほどは、クラスにいるみんながお互いを探るような感じで、誰が自分と合う人間なのか見極めているような期間。
それが過ぎれば、男子も女子もグループを作り、毎日特定の相手と過ごすようになった。
“友達”の成立だ。
あたしも、それなりにクラスメイトと会話をすることはあったけど、“友達”はまだいない。
あたしが独りにならない為に、ずーっと隣に置いておける人。
そう考えれば、その人も独りでいることが多い人のほうがいい。
奇数グループには絶対ならないようにしないと。