確かに彩芽は、蘭にいつもされるがままだったけど、少しはあたしのことを気にかけてくれてるんだと思ってた。
それなのに、本当はあたしのことがずっと嫌いだったんだ。
目が合った時、嬉しそうに笑って手を振ってくれたのに?
もう、訳がわからない。
彩芽のどれを信じたらいいのかわからない。
“友達”というものが信じられなくなった。
友達ってなんだろう。
そうか、あたしは“友達”というものをはき違えていた。
どんなことでも話し合えて、お互いのことが大好きで、喧嘩もするけどそれでもすぐに仲直りできるような、そんなものだと思っていた。
でも、違ったらしい。
友達っていうのは、友達になるっていうことは、自分が独りぼっちにならない為の手段で、ただ隣にいるだけの存在。
だから、彩芽は悪くないんだと思う。
あたしが勝手に、友達というものを良い方に考え込んでしまっていただけなんだから。