「今日から、女子の体育はバドミントンをやります。じゃあ、まず二人一組になってー」
授業が始まり、準備運動と軽いランニングが終わると、皆を集合させて先生がそう言った。
二人……一組……。
どんどん他の人たちはペアを作っていくけど、あたしは固まってしまった。
二人一組を作るということは、学校生活ではよくあることだけど、奇数グループに所属する人にとっては苦痛でしかない。
だって、必ず余る1人が出てくるのだから。
その残ってしまった1人は、大抵が先生と組まされるか、または、同じように余ってしまった別グループの子と組まされることになる。たいして関わったことがなくても、それしか方法がないから仕方が無いのだ。
中学の時は、毎度のように彩芽を蘭に取られてしまっていたから、あたしはいつも“余り”だった。
それでも、彩芽があたしのことを気遣って、「次は一緒に組もうね」と言ってくれてたから、気にしたことなんてなかったのに……。