「なずなちゃん!」
大きな声で名前を呼ばれて、あたしはハッと我に返るように目を覚ました。
顔を上げると、あたしを覗き込んでいるスミレと芹香が見える。
周りを見ると、わいわい自由に騒ぐクラスメイトたち。
「……?」
「ホームルームが終わってね、今休み時間だよ」
首を傾げるあたしに、スミレが笑いながら教えてくれた。
いろいろなことを考えていたら、どうやらあのまま眠ってしまっていたらしい。
休み時間になったことに気づかないで寝ていたあたしを、スミレ達が起こしに来てくれたということだ。
「なずな!次、体育だよ!早く着替えないと遅れちゃう!」
「ああ、うん」
芹香に引っ張られて更衣室へ向かい、あたし達は体育館へと急いだ。