そのあと、芹香と番号を交換し合い、休み時間を一緒に過ごし、お昼ご飯も一緒に食べた。
気が強そうに見えた芹香は、意外にも気さくで面白くて、今の限りはいい子だった。
まあ、いい子だろうがなんだろうが、あたしはそんなこと関係ない。
いざとなれば、芹香とスミレを引き離すつもりだ。
馴れ合うつもりなんて、ない。
そうしたら、“負け”だから。
「じゃあ、帰ろっか。なずなちゃん」
「うん」
放課後。
芹香は、家があたし達と逆方向みたいなので、校門でさっき別れたところだ。
やっと、スミレと二人。
たぶん、これからはこの時間が、スミレと二人で居られる唯一の時間になるんだろうな。
そう思うと、自然とため息が漏れた。
「どうかした?なずなちゃん」
「ううん、何でもないよ」
笑顔で首を横に振ると、スミレも安心したように頬を緩ませた。