「……じゃあ、どうしろって言うのよ!」
泣き叫ぶ蘭に昔の自分を完全に重ねて、息もできないんじゃないかと思うほど胸が苦しくなった。
「そんなの、私だってまだちゃんとわかんないよ……」
蘭の質問に、彩芽は一体どう答えるのかと気になっていたけど、ぽつりと漏れたのは少し頼りがいのない言葉。
だけど……。
「わかんない。でも、本当に皆がそれぞれ、相手と仲良くなりたいって思ってたら、きっと、誰一人欠けることなく“本当の友達”になれるはずだよ……!」
私はそうだって信じてる、と。
そう言った彩芽の声はまっすぐで、凛としていて。
そして、蘭を真正面から見据えるその姿は、あたしの知る彩芽からは想像もできないくらいかっこよくて、キラキラと輝いているように見えた。
「……」
彩芽の言葉を受けたあと、しばらく黙ったままだった蘭は、彩芽の胸ぐらから手を離した。
「蘭ちゃん……?」