「私、蘭ちゃんの言いなりになってなずなちゃんを傷つけたこと、どれだけ謝っても許してもらえなくて当然だと思ってる。それほどひどいことをしたから。だから、もう同じことは繰り返さないって決めたの!」
彩芽の言葉が、あたしの胸にまっすぐに届く。そして、そこから心全体に、温かいものが染み渡っていった。
ここまで、あたしのことを想ってくれていたなんて、考えもしなかった。
それなのに、あたしは……。
『謝られても、もう彩芽のことなんて信じられないから』
あんなふうに、心から反省して謝ってくれた彩芽を、拒むことしかしなかったなんて。
ごめん、ごめんね、彩芽。
あたしを傷つけたと同時に、彩芽自身も苦しい思いをしてたんだよね。
「蘭ちゃんがなんと言おうと、もう負けたりしない……。
私にとっては、なずなちゃんもあの子も……大好きで大切な“友達”なんだよ……!」
彩芽があたしに対する思いを口にしてくれる度に、あたしは涙が出てきそうで、あたしのほうが謝りたい気持ちでいっぱいになった。