そして放課後。
椿くんと2人で話した……つまりは、椿くんに告白された時の公園にやってきた。


学校では必死すぎて、あんまりよく考えてなかったけど、椿くんは放課後は部活があるはず。雪くんとの学校の練習試合が近いみたいだし、部活を休んでまで来てくれることはまずないだろう。


ということは、結構な時間待つことになりそうだ。
来てくれるかどうかもわからない中で何時間も待つのはつらいけど、椿くんとちゃんと話せるなら全然平気。


それに、なんとなくだけど、椿くんは来てくれそうな気がしてる。
都合のいい考えだけど、椿くんはすごく優しい人だから。


ブランコを漕ぎながら待つこと数十分。
しばらくして、ブランコから遠く離れた砂場のあたりで、誰かの話し声が聞こえてきた。


「……た、……ね……」


「……よ……!」


遠くて何を言ってるかあまり聞こえない。


まあ、どうでもいいや。


そう思った時、



「彩芽」



そんな聞き慣れた名前が、耳に届いた。