「ありがとう、2人とも」


ひとしきり笑いあったあと、あたしはスミレと芹香の目をしっかりと見て言った。



「あたし、椿くんとちゃんと話すね。あたし達がこうやって友達になれたんだから、きっと大丈夫だよね」



あたしの言葉に、スミレと芹香は笑顔で頷く。


「そうだよ、なずなちゃん!」


「応援してるからね!」


「ありがとう!」


2人の声援を受け、すっかり立ち直ったあたしは、教室へと戻った。


自分の席につく時、椿くんと目が合ったような気がしたけど、あたしは気にせず笑いかける。
椿くんは少し驚いたように目を丸くしたあと、ふいっと視線を逸らした。


大丈夫。もうめげない。
あたしには、スミレと芹香がいてくれるから。
困った時、助けてくれる“友達”がいるんだから、大丈夫。


2人と友達になれて、本当によかった。
椿くんにも、雪くんのことをそんなふうに思える日が来て欲しいな。