もとより、椿くんと雪くんの問題に、あたしが首を突っ込む時点で間違っていたんだよ。
部外者が無理にどうこうしようとするだけ無駄、余計にこじれるだけで、実際そうなった。
誤解を解きたいといくらあがいたところで、椿くんが話をしたがらないんじゃどうしようもない。
あたしに出来ることがないんだったら、もういいじゃん。しょうがないもん。
確かにあたしが2人の間の溝をさらに深くしてしまったけど、それを埋めようともう十分頑張ったと思う。
今のあたしには、スミレと芹香っていう、大事な“友達”がいる。
椿くんや雪くんがどうなろうと、あたしには関係のないことだし、気にする必要なんてそもそもどこにもなかったじゃん。
もういいよ、あたし。ほっとこうよ、あの2人のことは。どうしようもないんじゃ、しょうがないよ……。
ポタッと、また大粒の涙が落ちていって、それが床に向かっていくのをなんとなく目で追う。
すると、自分の足元の先に階段があることに気づいた。