もし、椿くんの親友の山茶花くんと、あたしの知る雪くんが同一人物なら、雪くんはアメリカから帰ってきてる。


それなら、全然知らない人だと思っていた山茶花くんとあたしが知らない間に仲良くなっていたのなら、もしかしたら少しでもあたしに出来ることだってあるかもしれない。


2人が昔みたいに、また一緒に夢を追いかけられるように。
雪くんだって、話してた感じだと、今すぐにでも椿くんに会いたいと思ってるに違いない。


最近ようやく本当の友達になれたあたしなんかが、彼らに出来ることなんてたかが知れてるかもしれない。


だけど、今まで友達関係に苦しんできたあたしだからこそ、力になれることだってあるかもしれない。


「……椿くん」


眠っているとはわかりつつ、あたしはどうしても伝えたいことがあって、声をかける。
案の定、寝ている椿くんから返事はないけど、あたしは構わず続けた。



「あたし、椿くんが山茶花くんと一緒に、楽しそうにサッカーしてるところが見てみたいの。だから、山茶花くんに会って来るね」