そう思ってしまったけど、そばにいて、椿くんを想っているだけで、たったそれだけのことでいいのかな。
でも、思い出せば、椿くんはずっと、あたしのことを嫌いと言いながらもずっとそばにいて、時には助言をしながら、あたしのことを見守ってくれていた。
それなら、気まずいからといって、椿くんを避けるのは違うよね。
「ありがとう、スミレ!おかげで、自分のやるべきことがわかったよ!」
あたしが笑顔でお礼を言うと、「よかった」とスミレも微笑んで、それから何故かあたしの耳元で小声で囁いてきた。
「なずなちゃん、その人のこと大好きなんだね」
「……!!」
思いも寄らない言葉に、あたしは耳まで真っ赤になる。それを見て、楽しそうにケラケラと笑うスミレ。
「ち、違う!別にそんなんじゃなくて!」
「あ、早く行かないと遅刻しちゃうよ」
「ちょっ!スミレ!」