椿くんの言う通りだな。
実際、あたしがスミレとだけ“友達”になりたいと思っていた時はうまくいっていなかったわけだし。


でも、それなら、椿くんにも同じ事が言えるはず。


椿くんと、椿くんのかつての親友が、お互いまた“友達”になりたいって思っていたら、サッカーをしたいと思っていたら、きっとそうなれるはず。


あたしは、椿くんがいなかったら、“3人で友達になりたい”と思うことすらなかったかもしれない。
こうして今日みたいに、スミレと芹香と笑いあっていられるのは、椿くんがいつだってあたしを導いてくれていたからなんだ。


「春風さん?どうかした?」


俯いたまま考え込むあたしを不思議に思ったのか、椿くんがしゃがんで顔を覗き込んでくる。


椿くんと目が合って、あたしは決意を固くした。


次は、あたしの番。


「椿くん!あたし、椿くんにすごく感謝してるの。だから、今度はあたしが椿くんの力になりたい!」


「え……」