公園のブランコに並んで乗り、あたしは誕生日の時のことを話した。


芹香と電話をしていたら、真夜中にも関わらずスミレが家まで来てくれて、謝ってくれて、あたしも謝って、許してもらえて。


そしたら、目の前ではスミレが、電話の向こうでは芹香が、あたしに「お誕生日おめでとう」って言ってくれたこと。


話しながら、嬉しさのあまり涙が出てきそうになる。


しどろもどろになるあたしを、椿くんは優しく促しながら、最後まで話を聞いてくれた。


「……よかったね、春風さん」


「ありがとう、椿くん……」


椿くんはブランコを降り、あたしの目の前までやって来て、あたしの頭を撫でてくれる。


「あたし、もう二度と自分には“本当の友達”なんてできないと思ってた」


「そうなれたのは、きっと、春風さんと染色さんと八潮さん、三人ともが最後まで誰一人“友達”になることを諦めなかったからだと思う」


あたし達の一人も、諦めなかったから……。