無邪気な笑顔で、あたしの手を握るスミレ。
前にも言われたことだけど、あの時とは全然違う。
あの時は、あたしがスミレに声をかけたことがきっかけで、スミレが芹香と友達になろうとしてしまったんだと、嫌な気持ちにしかならなかった。
だけど今は、“本当の友達”になれた今では、あたしがこの3人を繋げられたんだと、嬉しく思える。
「そうだよ、なずな。私とスミレがひとりぼっちじゃないのは、なずなのおかげなんだから」
ずっと落書きをしていた芹香も、実はあたしとスミレの話を聞いていたみたい。
芹香はさらさらとペンを動かしながらそう言うと、“らぶらぶ!”とさっき撮った写真に綴った。
「らぶらぶだって!照れちゃうね!でも嬉しい!」
初めてのプリクラにはしゃぐスミレが可愛くて、あたしと芹香は顔を見合わせて微笑んだ。