そんなあたしの思いを、スミレは受け止めてくれたらしい。
涙を流しながら、首がちぎれそうになるほどぶんぶんと横に振る。


「嫌いだなんて嘘だよ……!ごめんね、なずなちゃん!」


スミレ……。


スミレに嫌いだと言われた時、こうやって胸がしめつけられるように感じた。
そして、今この瞬間も。
でもこれは、あの時とは違う、心地のいい苦しさ。


あたしは、窓から身を乗り出して叫んだ。


「……っあたし、スミレと、それから芹香と……なりたい!」


友達になるということ。


それは、自分が孤立しない為の手段。


誰かと常に群れて、集団の中にいることで、 自分は弱くないと見せる為の。


だから、その繋がりはあまりにも浅くて弱くて脆い。そして、人間は裏切る。


そう思っていたあたしだけど……。



「なりたいっ…!!“友達”に……“本当の友達”になりたいよぉっ……!!」