「本当に嬉しかった……。芹香があたしに声をかけてくれるたびに涙が出そうになるぐらい……」


そこまで口にするとこらえていた涙がポロッとこぼれてきた。
一度こぼれると、それはなかなか止めることはできない。


「めちゃくちゃ嬉しかったから……芹香を誤解してたこと、ちゃんと謝りたくて……」


「なずな……」


気のせいかわからないけど、芹香もあたしに釣られて少し涙ぐんでいるように見える。


「ちゃんと謝って……それから……もう１回今度こそ“友達”になりたくて……」


「うん……」


芹香の頬に一筋の涙が見えた時、こんなふうに泣いてくれるような素敵な人のことを、一度も受け入れようとしてこなかった自分が恥ずかしくなった。


今度は、そんな間違いしたくない。
できることなら、やり直したい。


だから……。



「今まで……ほんとにっ、ごめんなさい……っ！もし許してくれるなら……あたしと、もう１回……」



「なずなの馬鹿!!」