今日、その子が友達と話していた時に、なんとなしにあたし達の様子が変だという話題になったらしい。
「私が、『でも八潮さんは春風さんの悪口言ってたみたいだから、こうなるのは時間の問題だったのかも』って言ったら、それは違ってたみたいで……八潮さんは悪口なんて言ってなかったって……」
「もしかして友達は、あの時芹香がスミレと話してた内容を知ってるの?」
こくりと首を縦に振るクラスメイトの女の子。
偶然立ち聞きしちゃったらしくて、と言葉を添えたあとに、続けられた一言にあたしは固まってしまった。
「八潮さん達、春風さんにサプライズで、春風さんのお誕生日をお祝いするつもりだったみたいなの……!」
あたしの……誕生日……?
ますます、わからない。確かにあたしの誕生日は近いけど……。
と、そこまで考えたところで、この子が悪口だと勘違いしてしまった原因に気づく。
「あ……それで『なずなには絶対言っちゃダメ』ってことか……」