とりあえず、早くゴミを捨てにいかないと掃除が終わらない。


こんなところで立ち尽くしている場合じゃ……。


そう思った時、今度は校舎の中から声をかけられた。


「春風さん……」


その子は、前に芹香があたしの悪口を言っていたと、あたしに教えてくれたクラスメイト。


掃除当番ではないけど、まだ帰ってなかったんだ。


「どうしたの?」


あたしは何事もなかったかのように努めて明るく振る舞う。
すると、その子は唐突に「ごめんなさい!」と頭を下げてきた。


「前にね、八潮さんが春風さんの悪口言ってたって話したでしょ?あれ……私の勘違いだったみたいなの……」


「え……?」


カンチガイ……?


「どういうこと……?」


クラスメイトの子は、顔を上げると泣きそうになりながら、ゆっくりとあたしに話してくれた。