放課後。掃除当番だったあたしは、教室で集めたゴミ袋を外にあるゴミ捨て場に持って行く為、玄関で靴を履き替えていた。


すると……。


「じゃあ、また明日ねー!」


「うん!バイバイ、スミレ!」


“スミレ”という名前に驚いて、あたしは思わずゴミ袋を落としそうになる。


下駄箱の陰からそっと覗くと、スミレと芹香が手を振り合ったあと、各々別れて帰路についたところだった。


スミレに謝ると決めたものの、結局、芹香の問題を先に解決しない限り謝ったところで意味がないような気がして、今日一日あたしは何も行動を起こせなかった。


「はぁー……」


思わずため息が漏れる。


結構こたえるというか、つらいなぁ……。
スミレは、あたしが掃除当番の時は、いつも終わるまで待ってくれて一緒に帰っていたのに。


もう、本当に何をやっているんだろう……?


あたしが芹香のことを好きになれたら、全部丸く収まるんだろうなぁ。
それができないから、こんなにも悩んで苦しい思いをしているんだけど。