確かに、椿くんの言う通りなんだ。あたしも、そう思ってる。でも、女子の友達ってそう簡単にうまくいくものじゃない。


「今から別のグループに入れてもらうのは難しいんだよ。それだけ……」


「本当に?」


椿くんがあたしを試すみたいに、目をじっと見据えて尚も問いかけてくる。


長めの前髪から覗く椿くんの目は、吸い込まれそうなほどにすごく綺麗で、下手な嘘はつけないと悟った。


「……今から別のグループには入りづらいっていうのは本当だよ。でも、それ以上に……何でかスミレのことばかり考えちゃう」


正直な気持ちを伝えた。


本当に独りぼっちが嫌なら、やろうと思えば今からでも別のグループに入るだろう。
でも、スミレや芹香のことばかり気にしてしまって、そうしていないでいるというのが今の状況。


すると、椿くんは何故か柔らかに微笑んであたしの頭をくしゃっと撫でる。


「なんだよ、もうそれって答え出てるじゃん」


「答え?」