「あたし達ってさ、“友達”だよね?」
「もちろんだよ」
即答してくれたスミレ。
それを聞いて、「じゃあ、」と口を開くあたし。
「八潮さんなんてほっときなよ」
「えっ……」
笑顔で言ったあたしに、スミレが顔を引きつらせた時、思わぬ邪魔が入った。
「はい、そこまで」
そう言って、あたしとスミレの間に割って入ってきたひとりの男子生徒。
椿くんだった。
「椿くんっ?」
ドクンと心臓が跳ね上がる。
もしかして、さっきの会話聞かれてたのかな?
あの屋上での時みたいに、また何か言われるんじゃないか、ついそう考えてしまった。
「ちょっと……何なの」
なるべく平静を装うけど、椿くんは黙ったままあたしを見るだけで感情は読み取れない。ただ、その目が優しくないことだけは明らかだ。
むかつく……。