だって、これでは、トラウマ故に今まであたしがスミレ達にしてきたことが、ただの嫌がらせになってしまう。あたしだって、好きで芹香に嫌なことを言ったり、スミレを独占したかったわけじゃないのに。


彩芽のせいであたしはこうするしかなかった、こんなふうになってしまった、と言い訳することでなんとか自分を守ってきたのに。


それが、100%彩芽が悪いわけじゃないと知らされた今、あたしはこれから一体どうすればいいの?


もう、考え過ぎて悲しいのか腹立たしいのかもわからないけど、涙が止まらない。


助けてよ、誰かあたしを助けて。
苦しくて仕方がないよ。


泣いているのと走っているのとで、呼吸がうまくできてないけど、苦しいのは体なのか心なのかも最早区別がつかない。


どうせならこのまま走って、あたしのことを誰も知らないところまで行って、もう一度やり直したい。


大切な存在のことを“友達”だと思えるあたしになって、その“友達”と毎日楽しく笑い合うの。


なんて幸せなんだろう。


スミレと芹香を失い、大好きだと言って必死に弁解してくれた彩芽のことも突き放したあたし。


完全に独りになったあたしには、到底手が届くはずもない幸せだと思った。