そこまで考えると、許してあげようと考える自分はいなくなって、怒りで震える自分が前に出てしまった。



「今更、遅いよ」



いくら謝られたところで、傷は癒えない。


嘘だったとしても、それさえも嘘に思えてきてしまうぐらい、あたしはもう彩芽のことが信じられないんだ。


「え……」


「謝られても、もう彩芽のことなんて信じられないから」


冷たく突き放すあたしに、泣きそうになる彩芽。


これ以上話すことなんて何もない。「じゃあ」と立ち去ろうとするあたしを、彩芽はすがるように引き止める。


「待って、なずなちゃん!許して欲しいとは言わないから、私の気持ちだけはわかって欲しいの!私は、なずなちゃんのこと大好きで……」


「やめてよ!!」


彩芽の言葉を遮って、あたしは大きな声を上げた。


「今更そんなこと言わないでよ!何が『私の気持ちはわかってほしい』よ!あたしがあの時どれだけ傷ついたかも知らないくせに!!」