公園のブランコに座りながら、彩芽と話すことになった。


ここは雪くんと会う公園だったけど、今日は幸いなことに誰もいない。


「……で、話って何」


早く終わらせたくて本題を急がせるあたし。
裏切られたことを忘れていないあたしは、自然と怖い顔になっていたのか、彩芽の肩がびくりと跳ね上がったのがわかる。


それでも、意を決したのか、まっすぐにあたしを見据えて彩芽は言った。


「……あ、あのね。私、中学の時のことを、ずっとなずなちゃんに謝りたかったの」


「謝りたいって、何が?」


すぐにあたしの冷たい声で質問が返ってきて、彩芽がまたあからさまに怯む。


「ら、蘭ちゃんのこと……」


か細い声で答える彩芽。


「蘭のことって何?蘭にされるがままであたしを独りにしてたこと?」


違う。あたしがショックだったのは、そんなことじゃない。


彩芽が……。



「私、蘭ちゃんに、なずなちゃんのことが嫌いだって言っちゃったの……!」