「春風さん、大丈夫……?」


どうしてこんなことになったのかはわからないと思うけど、異変を察知した椿くんが心配そうに声をかけてくれる。


その声が優しすぎて、今にも泣き出してしまいそうになった。


「……スミレとあたしの“友達”の考え方が違っただけ」


とりあえずそれだけ答えたけど、これ以上訊いて欲しくなくて、バカなあたしを見られたくなくて、机に突っ伏した。


情けないな、こんなにも落ち込んでしまうなんて。


スミレに嫌われたなら、さっさと別のあたしの“友達”になってくれる人を探せばいいはずなのに。
やっぱり、スミレのことばかり気にしてしまう。


こんなに胸が苦しくなるのは、やっぱり雪くんに言われた通り、あたしはいつの間にかスミレと芹香のことが好きだったんだろうか。


そんなはずはないのに、トラウマを忘れられたことなんてないのに、でも……。


自分の気持ちがわからない。
この渦巻く気持ちが何を示しているのか、わからない。