「あ!芹香ちゃん、おはよー!」


スミレも、芹香と同じぐらい元気いっぱいに挨拶を返す。


あたしは、目が合って挨拶もしたのに、当たり前のように無視されてしまった。


でも、芹香にはそうじゃない。
あたし“だけ”嫌われたことを痛感した。


まあ、芹香はスミレに何か言ったわけでもしたわけでもないなら、それが普通なんだけど……。


自分のせいなのはわかってるけど、その違いに落ち込むあたしに、椿くんは困ったような笑顔を向ける。あたしも苦笑するしかなかった。


すると、バッグを机の横にかけた芹香が、驚くことにあたしのほうを見て、あろうことか 「おはよう」と声をかけてきたのだ。


「え……」


まさか挨拶をされるとは思っていなくて間抜けな声を漏らすほどなのに、芹香はにこにことしてあたしの返事を待っている。


戸惑いながらも口を開きかけた時、芹香の隣にいたスミレが、信じられない一言を放った。