誰に言ったでもなく口から漏れた言葉は、それを拾って返事をしてくれる人なんていないから、ストンと寂しく地面に落ちていった。
まあ、でも気にすることはない。スミレと芹香の2人に嫌われたところで、たいしたことはない。
学校に行けば、もっとたくさんの人がいるんだから、また新しく“友達”を作ればいいだけの話。
そこまで考えて、一抹の不安が押し寄せた。
……はたして、そううまくいくだろうか。
入学して何ヶ月が経った?もうクラスは、完全に仲良しで集まったグループが出来上がっている、その輪にあたしが入れる場所なんてある?
あたしの居場所なんて、本当にあるの?
ない、ないよ。そんなの。
だって、あたしの居場所は確かに、スミレと芹香だった。
芹香を邪魔だと思いながらも、スミレを取られない為と言いながらも、あたしはずっと2人と一緒にいた。
その2人に嫌われれば、そこにしか居場所がなかったあたしは、完全に独りぼっちということになる。
自分を守る為に“友達”を利用していたのに、自滅して。なんてバカなんだ、あたしは。