「スミレ、もう芹香と仲良くするのやめよう。ていうか、やめて」


「な、何言ってるの、なずなちゃん……」


「だって、スミレはあたしの友達でしょ?スミレにとっての友達も、あたしがいれば十分でしょ?」


“友達”は、自分が独りにならないための存在。だから、その存在はお互いがいれば事足りる。さらにそこに、もう一人加える必要性なんてないんだ。


「なずなちゃん、言ってる意味がよくわからないよ……」


「そのままの意味だよ。芹香が来るまであたし達は二人でずっと居たじゃん。それってつまり、芹香がいなくても問題ないってことじゃない?」


スミレの顔がどんどん青くなっていって。
それなのに、あたしは対照的に笑っている。
やっと自分の気持ちを吐き出せている、そんな解放感からなのか。


「そんなことないよっ……。芹香ちゃんも大事な友達でしょ?何でそんなこと言うの、なずなちゃん……」


「何でって、それはもちろん……」


あたしがにっこりと笑うと、スミレが今にも泣き出しそうな顔になる。