ちょっと、それどういう意味で言ってるの?
芹香もわざとじゃない?どうして、芹香をかばうようなことを言うの?


あたしがあのあと、どんな気持ちでお化け屋敷を出たか、スミレは全然わかってない。だからそんなことが言えるんだ。


ひどいよ、芹香なんてあとからあたし達の間に入ってきた、ただの邪魔者なのに。そんな奴の肩を持つなんてさ……。



「スミレはバカだね」



もう、我慢の限界。



そう思った瞬間、あたしの口から、自分でもこんな声が出せるんだと感心してしまうほど、低くて冷たい声が出ていた。


「え……?」


「あたしは、芹香のことなんてどうでもいい。あたしは、この3人で仲良しこよしをやろうなんて思ったことは一度もない。そんなふうに間を取り持とうとしたところで、あたしにとっては逆効果だよスミレ」


スミレが芹香に優しくすればするほど、あたしの怒りは募っていくばかり。


ずっとずっと抱えていた気持ちが、よもや楽しいはずのこんな場所で爆発してしまった。