でも、そんなこととても恥ずかしくて言えない。


ジェットコースターの時のスミレみたいに、楽しそうな芹香の邪魔をしたくない、というわけではなくて。


ただ、自分のプライドの問題と、あたしだけ外で待って、仲良く中へ入っていくスミレと芹香を見送ることが嫌だから。


「大丈夫!これ終わったらちょうどいい時間になってそうだよね!」


あたしは、震える足を見られないようにズンズンと入口へと向かう。


あとからスミレと芹香もやってきたところで、悲鳴が外まで聞こえてくるほど怖いらしいお化け屋敷へと、足を踏み入れた。


「お化け屋敷ってさー、最初は結構おとなしいけど、いきなり脅かしてくるからびっくりするよねー」


「よく出来てるよね」


のんきに笑いながら歩いていくスミレと芹香。
あまりにも冷静なうえに、怖がることがないから、2人の歩くペースがなかなか速い。


あたしは、2人とはぐれたら終わりだと思い、暗闇の中を必死に後ろからついていった。