あたしの隣を歩くスミレも、本当に楽しそうな笑顔で言ってきた。
「……あたしは別に」
「素直じゃないなぁ。なずなちゃんも、すごく楽しそうにしてるよ」
何言ってんの。あたしが“3人”でいて、楽しいなんて、そんな馬鹿みたいなこと思うわけ……。
スミレの言葉から逃げるように顔をそむけると、ふとお土産屋さんのガラスに映った自分と目が合う。
「……!」
何で……。あたしは、はじめスミレと2人で遊園地だと思っていて、でもそうじゃなくて、複雑な気持ちを抱えていたはずなのに……。
ガラスに映った自分の顔は、スミレの言う通り、心なしか綻んでいるように見えた。
「よかったね、スミレ。楽しんでもらえて」
「うん!」
芹香がスミレにそんなことを言って、スミレと一緒にあたしに笑いかけてきた。
「違うってば……」
あたしが楽しそうに見えるのだとしたら、きっと、スミレが元気になったのと、遊園地っていう特別な雰囲気のせい。
絶対、そうだもん。それだけだもん。