あたしの言葉に、スミレは少し言いよどみながらも、正直に話してくれた。
でもそれは、あたしの心にさらに波風を立てるものだった……。
「芹香ちゃんがね、すごく楽しそうにしてたでしょ?ずっとジェットコースターははずせないって言ってて。だから乗れないって言って水を差すみたいなことできなくて……」
“芹香”……。
その名前が出てきただけで、反射的に嫌悪感を抱く自分がいた。
「気を遣ったわけじゃないよ!私ももしかしたら乗れるやつかもしれないって思って、これを機に絶叫系を克服できたらいいなって思ったの!でもダメだったみたい……」
あくまで芹香は悪くない、自分の意思で乗ったんだと主張をするスミレ。
スミレが必死になればなるほど、あたしの心に暗雲がたちこめ、今度はあたしの気分が悪くなってきた。
「……そっか、そうなんだ……」
「うん。芹香ちゃんには言わないでね。心配かけたくないから」
そんなになってまで気遣うぐらい、スミレにとって芹香は大事な存在なんだね……。