そんなことを話していたら、ガラッとドアが開いて、芹香が登校してきた。


「おはよー!って、どうしたの?朝から楽しそうだね!」


自分の席にバッグを投げ飛ばすと、真っ先にあたし達のもとにやって来る芹香。


「何話してたの?」


芹香がそう聞いてきた瞬間、あたしの本能が“やばい”と悟った。


「あのね、芹香ちゃん……」


「何でもないよ」


その本能に従い、あたしはスミレの言葉を遮って芹香に笑顔で答えた。


きっと、スミレはさっきの話を芹香にもするつもりだったんだと思う。
誘うつもりだったのかどうかはわからないけど、あたしはスミレと2人だけで遊びたい。


久しぶりのスミレと2人の時間を邪魔されたくなくて。


「それより芹香、1時間目の授業、今日は芹香が当たる日だけど大丈夫なの?」


「げっ!やばー……」


半ば無理やり話題を逸らして、自分の席へと戻らせた。