「彩芽さんは、いくら嫌いになったからって、かつての親友だったはずの春風さんにひどいことを言っちゃったことに対して少なからず心を痛めたんじゃないかな。春風さんに許してもらえなくても、ごめんって謝りたいんじゃないかな」
あたしの気持ちも考えてくれているのか、椿くんがすごく控えめに遠慮がちにそう言った。
彩芽が、あたしに謝りたいと思ってる?
そんなことある?蘭の言う通りだった、あの彩芽が?
正直言って、そんなことを考えたくもない。
仮に椿くんが言ったように、あたしに罪悪感を抱いているのだとしても、あたしが傷つけられたという事実は消えない。
今更彩芽が、あたしに何を言ってきたところで、許せるわけが無いんだ。
もう、“友達”なんかじゃ、ないんだ。
そう、思ってるのに……。
『例え謝って許してもらえなくても、俺はあいつの友達で居続ける。あいつの友達だけは絶対やめない』
初めて、公園で雪くんと会った時に、彼が空を仰ぎながらそう言っていたことを思い出してしまった。