「芹香ちゃんって、元気で活発だから運動得意そうなイメージだったけど、その通りだったんだね」
「……うん」
「すごいなぁー!体育祭とか大活躍しそうだよね!」
「……うん」
「いいなぁ。私、運動は本当にダメだから、憧れるなぁ」
「……。……うん」
頷くしかできないあたしの様子には気づくことなく、にこにこと笑いながら話を続けるスミレ。
ああ、もう限界だ。
許せない。あたしとスミレの二人きりの時間を邪魔してくるほど、スミレの中で存在が大きくなっている芹香が。
スミレと芹香がこれ以上仲良くなっていったら、あたしはどうなってしまうんだろう。
きっと、完全に孤立してしまうに違いない。
そんなの、あってはならないことだ。
だって、芹香よりも先に、あたしのほうが“友達”になってたんだよ?
それなのに、そうやすやすと取られるわけにはいかない。