あたし達は3人のグループなので、一試合ごとにローテーションでペアを組むことになった。
一試合目は、あたしとスミレ。
あたしはそこまで苦手というわけではないけど、スミレの無さすぎる運動神経のおかげで、お世辞にも良い試合とは言えなかった。
次は、スミレと芹香。
どうせ、芹香もスミレのミスのフォローで手一杯になって、あたしと同じように試合どころじゃなくなるだろう。
そう思っていたけど、現実は違った。
――スパーンッ!
バドミントンのシャトルが、コートの床に勢い良く叩きつけられると、「よっしゃー!」と芹香がガッツポーズをする。
「すごいすごい!芹香ちゃんのスマッシュ、かっこいい!」
そんな芹香の様子を、隣で両手を叩きながら喜んでいるのはスミレ。
「えへへ〜。それほどでも〜」
スミレに褒められ、芹香が鼻を高くするのも無理はない。
10対5で、まさかのスミレと芹香がリードしているのだ。