それなのにスミレは一体何を考えているんだ。
どうして、自分の悪口を言っている人のことを助けなきゃいけないの?


そもそも芹香は、あたしとスミレっていう2人で既に出来上がっていたはずのグループに、迷惑なことにわざわざ割り込んできた邪魔者なんだ。
芹香が独りぼっちになってるからって、あたしが助けてあげる必要性が微塵も感じられない。


「芹香は、あたし達以外にも友達いっぱいいるから大丈夫だよ。他の人に入れてもらうんじゃない?」


スミレに諦めてもらおうと、なるべく柔らかい言動でたしなめる。
でも、スミレはよっぽど芹香とやりたいのか、なかなか引き下がらない。


「えっと……それはそうかもしれないけど、せっかくだから3人でやりたいなぁ……なんて……」


楽しそう、とでも言いたいのだろう。しどろもどろになりながらも、スミレは笑った。


3人で、か……。


“私は3人で遊びたかったから、なずなもいなきゃ意味ないからさ”


あたしがドタキャンをしたあと、芹香からそんなLINEのメッセージをもらったことを思い出した。