それからというもの、スミレと芹香は何やら2人でコソコソとしていることが増えたような気がする。


席があたしだけ離れているから、休み時間になるとどうしても2人が揃ってるところにあたしが合流するしかないんだけど、その度にスミレが慌てるんだ。


2人が急いで話を終わらせるものだから、あたしが「何話してたの?」と聞くけど、スミレは明後日の方向を見ながら「何でもないよ!」と言う。


芹香はいつもと変わらないけど、様子のおかしいスミレのおかげであたしが神経質になっているのか、強いて言うならいつも以上に元気すぎるような気がした。


日に日に、スミレと芹香への不信感が募っていく。
あたしと、2人との間にできた溝を感じる毎日。


そんな、ある日。





「ねぇねぇ、春風さん、最近大丈夫?」


「え?」


今は選択授業といって、数種類ある科目の中から自分が選んだ科目を学ぶ授業の時間。


先生に言われた課題をやっている最中、隣の席の女子にそんなことを言われた。