芹香と、一緒にどこかにいるということしか有り得ない。


「ねぇ、スミレと芹香、知らない?」


「あぁ、二人ならさっきトイレに行ってたよ」


近くにいたクラスメイトに聞き、あたしはすぐに女子トイレへと向かう。


そして、トイレのドアを開けようとした時だった。


あたしが開けるより先にドアが中から開けられ、スミレと芹香が揃って出てきた。


「わわっ!な、なずなちゃんっ」


「お!おはよー、なずな!」


「スミレ……芹香……」


にこやかに挨拶してくる芹香とは対照的に、スミレの方は何故かひどく慌てている様子。


「二人共、何してたの……?」


「え?普通にトイレだよ!」


そうだ。トイレですることなんて決まっているのに、あたしはその質問をせずにはいられなかった。


「そ、そう言うなずなちゃんはどうしたの?」


だって、スミレが明らかにおかしい。