翌日。
昨日あまり眠れなかったのと、スミレと芹香の約束をドタキャンしたこともあって、あまり学校へ行く気になれない。
でも、体調不良でもないのに休むわけにはいかず、重い足を無理矢理進ませたものの、学校に着いたのは遅刻ギリギリの時間だった。
「おはよ……」
こんな時間だから、スミレと芹香はもう来ているはすだと思って挨拶をしようとしたけど、教室のどこにも二人がいないことに気づく。
その代わりというわけではないけど、他のクラスメイトと挨拶しながら中へ入り、自分の席に座るあたし。
どこにいるんだろう。芹香はともかく、スミレがいないことなんて珍しい。
スミレはいつも、あたしか芹香が来るまでは静かに読書をしているはずなんだ。
他のクラスの人達ともあまり交流関係のないスミレは、他クラスの教室にいることなんてまずないし。
何より、もうすぐ朝のホームルームが始まる時間だというのに教室にいないなんて、真面目なスミレにしては不思議でしかない。
……と、なると。答えは一つしかない。