そういえば、さっきのあの夢……。
あたしは、はたと思い出し、目の前の椿くんをじっと見つめる。
久しぶりにあの男子のことを思い出したけど、彼は今どうしているんだろう。
あたしと同じように、この学校に通っているのかな。
それにしても、あの、風になびく長めの茶髪……椿くんに似てるなぁ。
「何?」
「……なんでもない」
あたしに凝視され、怪訝そうに眉をひそめる椿くん。
そういえば、椿くんもサッカー好きみたいだもんな……。
もしかしたら、あの時の男子は椿くんじゃないのか、なんて疑惑が出てきた。
話し方というか雰囲気もすごく似てるし。
「目覚めの一杯、いる?」
あたしがしばらく考え込んでいると、椿くんはずいっと紙パックの牛乳を差し出してきた。
「……!」
ついこの間も、こんなふうに牛乳を渡されたっけ。