だけど……。



「裏切られるのは……もうたくさんなんだよ……」



雪くんは、あたしがスミレと芹香のことが好きなのだと言ったけど、やっぱり違うよ。
本当にそうなら、こんなふうに虚しくなったり、腹立たしい気持ちになったりはしない。


涙が頬を流れてきて、それを隠すようにあたしは机に突っ伏した。


外から聞こえてくる小さな音をぼんやりと聞きながら、自分の腕に顔をうずめていると、次第に眠気があたしを襲ってきて。


最終下校時間までまだ時間はあるし、一眠りしてやることにした。


そのまま押し寄せる眠気に身をゆだねると、すぐに眠りの海へと溺れていく。


ゆらり、ゆらり。


そして、完全に眠りについた時、夢を見た。


高校に入学する前の、受験をする前の、つまりはあたしがまだ中学生だった時の記憶が、夢となってよみがえってきた。


そう、あれは、受験をする高校を決めるために、この学校の説明会に来た時のこと。


『何で、こんな遠くの学校を選んだの?』


そこで会った、違う学校の1人の男子生徒に、そんな質問をされたのだ……。