すると、トイレから芹香が戻ってきた。


「お待たせ!じゃあ、行こっか!」


「うん!」


各々バッグを手にして、教室をあとにする。


そこまで広くない廊下を3人並んで歩くわけにもいかない。
あたしが一番最後に教室を出たせいもあって、あたしはスミレと芹香の一歩後ろに下がった。


「駅の近くにね、結構大きいショッピングモールがあって、そこにいっぱい可愛いお店とか美味しい物とかあるんだよ!」


「そうなんだ!」


前を歩くスミレと芹香は、これから行くお店のことで、まだショッピングモールに到着してもいないのに盛り上がっている。


なんとなく、盛り上がっている中に後ろからは入りづらくて、ただ話を聞きながらあとをついていくだけになるあたし。


「それでね、あの雑誌に載ってたトップスが欲しくて」


「あ!私もそれ欲しい!可愛いよねー!」


ファッション雑誌か……。芹香はともかく、スミレも読んでいたとは少し意外だった。
あたしも読んでいたら、話にすんなり入っていけたのかな……。