もともとスミレが優しい性格だから、というのもあるけど、“自分も誰かを助けたい”と思うきっかけを作ったのは確実にあたしだった。


でも、スミレに声をかけなければ、“友達”になってもらうことはできなかったと思う。


もしかしたら、あの日あたしがスミレを“友達”に選んだのは間違いだったのかもしれない……。


だからといって、今から新しく別の“友達”を作ることはできない。もうグループが綺麗にできてしまっているから、そこに突然入っていくのはとてつもなく難しい。


……これから、どうしろと言うんだ。


あたしとスミレと、それから芹香、3人でいることを受け入れなければいけないのか。
“3人”という、一番難しい奇数グループになって、それで、本当にうまくいくのかな。


「……ちゃん、なずなちゃん!」


「えっ」


突然名前を呼ばれて、ハッと我に返る。


「どうしたの?ぼーっとして」


「いや……」


心配そうに顔を覗きこんでくるスミレ。
その純粋な目が直視できず、反射的に顔をそむけてしまった。