「だからね、私を助けてくれたなずなちゃんと、私が助けになってあげられたかもしれない芹香ちゃんと、3人で一緒にいられることがすっごく、すーっごく嬉しいんだぁ……!」



大きく開いた目をキラキラと輝かせ、口角をこれでもかというほどに上げてスミレが笑った。


たぶん、“普通の友達”だったなら、こんなことを言ってもらえたら、嬉しくて喜ぶところなんだと思う。


だけど、あたしがまず思ったことは、「最悪だ」……だった。


ずっと、ずっとわからなかった。
スミレが、芹香にこだわる理由が。


でも、今日その理由が、あたしのせいだったんだと知って、やっとわかったと同時に、どうしようもない虚無感に襲われた。


だって、あの日、1人でぽつんと座っていたスミレに、「友達になろう」などと声をかけなければ、スミレが芹香に近づくことなんてなかったのだから。


あたしが、どれだけスミレから芹香を遠ざけようとしても無理な話なんだ。
スミレがあたしにしてもらったことを忘れない限り、芹香が独りぼっちになるとほっとけないんだ。