「……え？」


〈なずなちゃんは、別に芹香ちゃんが苦手とかじゃなかったんだよね！私の気のせいだったんだよね！〉


嬉しそうに話すスミレ。
でも、あたしは何も返せないぐらい、スミレのことが理解できないでいた。


何でそうなるの？
気のせいなんかじゃない、あたしは本当に芹香のことが嫌なの。
スミレでもわかるぐらい表に出ていたなら、相当嫌っているってわかるはずでしょ？


それがどうして……。
あたしの疑問は、次のスミレの言葉で解決する。


〈だって、本当に苦手だったら誘ってもOKしてくれないもんね！〉


ああ、そういうことか……。


スミレを取られまいと必死だっただけだけど、逆効果になってしまったらしい。まあ、当然のことか。


こうなってしまっては、スミレの思う通りを演じるしかない。
ここで、「そうじゃない、本当は嫌いなんだ」なんて言ってしまえば、スミレとあたしの関係がこじれてしまうことが目に見えている。


それだけは、是が非でも避けなければ。