そう、決して、大切だから、好きだから“友達”じゃない。
『なずなはスミレちゃんのことも、芹香ちゃんのことも大好きなんだよな』
雪くんに言われたことが、まだ鮮明に頭の中に残っていて、消えてくれるどころか何回もリピートされる。
「違う……違うってば……!」
家路を急ぎながら、あたしは必死で首を横に振り続けた。
複雑な気持ちのまま家に帰ると、すぐに制服から部屋着へと着替えて、倒れ込むようにベッドに横になる。
すると、枕元に放り投げたスマートフォンがチカチカと光り、1通のメッセージが届いていることを知らせた。
【明日の放課後、芹香ちゃんが皆で遊びに行かない?って!】
【なずなちゃんはどうかな?】
スミレからの、そんなLINEのメッセージ。
芹香が、皆で。つまりは、スミレと2人でというわけじゃない。
そう考えると、嫌だ、断りたい、と思った。