「なずなは違うの?大切に思える人のことが、“友達”じゃないの?」


逆に聞き返されたあたしは、光の宿る雪くんの目から逃げるように、顔をそむけるしかできない。


「……もう、そんなふうに思うことは、とっくにやめたよ」


あたしは考え方を変えるしかなかった。


自分が“友達”というものを良い方向にばかり考えてしまっていたせいだ。


もう、同じように傷つきたくないって思うのは、自然なことでしょ?


「ふーん、そうなんだ」


自分的には重い話だと思っていたけど、雪くんからは意外にも軽い返事がやってきた。


椿くんみたいに抑揚がない感じも嫌だけど、雪くんみたいに軽すぎるのもあまり良い気はしない。


若干むすっとしながら雪くんに視線を移すと、雪くんはあたしを見てにかっと太陽みたいに笑った。