「ただ、さすがに言いすぎたと思って」
あたしを真っ直ぐに見て、「ごめん、春風さん」と。
“可哀想”だと言ったことを謝ってくれた。
今まで散々あたしに嫌なことを言ってきたけど、昨日のあたしの様子で、自分の言葉の鋭利さを椿くんは知ったのかもしれない。
でも、ああ言われてしまうのはあたしが悪いからで、椿くんのせいじゃない。
だから、そんな、少し顔を歪ませて謝ることなんてないのに。
「あたしの方こそ……叩いたりして……ごめんなさい……」
珍しく崩れた椿くんの表情を見ていると、胸がぎゅっと掴まれたように痛くなって、言葉がすんなりと出てこなかったけど、あたしもつられるように謝罪した。
「……春風さんが謝ることないよ。俺が怒らせたんだから」
「ううん……。自業自得だから……」